子宮頸がん検診について
ここでは、婦人科がん検診の一つである"子宮頸がん検診"を取り上げますが、
この癌の最大の特徴として知っておいていただきたいのが「子宮頸がんは予防可能な癌である」という事です。

これは定期的な検診により、子宮頸がんになる前の段階である異形成が発見可能であるため
がんの発症を未然に防ぐ事が非常に容易であるという事が言えるからです。
また、癌に発展する前の異形成や上皮内癌では、子宮の入り口の一部を切除するだけでよく
子宮を取る事もありませんし、大手術もしなくて済むのです。
子宮頸がん検診では、この細胞の異形成等を見つけるのがその目的です。

当クリニックでは専用の機器であるコルポスコープ等を設置して、子宮がんの精密検査を行っています。

是非、定期的な検診を受けていただくことをお勧めします。


検査の流れ
▼視診・細胞診検査
膣鏡という機器を用い、子宮の入り口から綿棒等で細胞を採取し、顕微鏡で調べます。
(痛み等は無く、数秒で終わります)
結果が出るまで約1週間程掛かります。ここで、下表のクラスIII以上の結果が出た方は、精密検査が必要です。

-細胞診結果の見方(クラス分類)-
クラスI 正常
クラスII 変性や炎症細胞を認めるが正常
クラスIII
 IIIa
 IIIb
異形成細胞が存在する。
軽度異形成、中等度異形形成を推定する。
高度異形成を推定する。
クラスIV 上皮内癌を推定する。
クラスV 癌を推定する。


▼精密検査
当院ではコルポスコープ(子宮の入り口を拡大して見る事の出来る装置です)で観察し、
異形成や癌の疑いのある部位があればその部分を少し削り取り、病理検査を行い最終的な判別をします。
(ほとんどの方の場合、痛みはありません。)


子宮頸がんとパピローマウィルス
現在、子宮頸がんの原因のほとんどがパピローマウィルスによるものだと言われています。
このパピローマウィルスには多くの種類があり、子宮がんになりやすい高リスクのものから、
なりにくい低リスクのものまであります。

パピローマウィルスに感染した場合、少しずつ子宮頸部の細胞が変化を起こしていきます。
そして最悪の場合、正常上皮→軽度異形成→中度異形成→高度異形成→上皮内癌→癌となっていきます。
ですが、軽度異形成ならほとんどが、また高度異形成であっても正常に戻っていく事があり、
感染したからといって必ず「がん」になるわけではありませんし、またすぐに「がん」になる事もありません。

しかし、最近では20代で約20%の女性がこのウィルスに感染していると言われ、
自覚症状がほとんど無い事もあり、厚生労働省では20才を過ぎた方に対して子宮頸がん検診を推奨しています。


パピローマウィルス検査
パピローマウィルスの種類を検査するものです。
先にも述べたように、感染していたからとは言っても「がん」になるわけではありませんが
ウィルスの種類等によりその可能性を調べる為の検査です。


子宮頸がん予防ワクチンについて

▼ ワクチンの効果
100種類以上の、ヒトパピローマウィルス(HPV)の中で、子宮頸がんになる可能性のあるものは、
十数種類のHPVだとされています(ハイリスクHPV)

現在、子宮頸がん予防ワクチンには、これらハイリスクHPVのうち、
・HPV16、HPV18の感染を防止する「サーバリックス」
・HPV16、HPV18に加え、HPV6、HPV11によるコンジローマの感染を予防する「ガーダシル」
の二種類が承認されています。

日本人ではHPV-16,18による子宮頸がんは約60〜70%くらいですが、
HPV-16,18の感染を4〜8年(20年間という推計報告もあります)に渡って
予防する効果があると言われていますが、
予防効果の持続時期については、まだ不明な点が多くあり、確立されていません。
また、現在既にHPV-16,18による感染が成立している方には効果がありません。

前述しましたように、約60〜70%の感染を防ぐ事が出来るという事は、
一方で、 全ての子宮頸がんを予防できるものではない という事なので、
子宮頸がん予防ワクチンが、定期的な子宮頸がん検診に代わるものではありません。

▼ 副作用
よくある副作用として、一時的ですが注射部位に疼痛や腫脹がかなり高率でみられます。
また、重大なアレルギー様症状等を引き起こす場合もあるので、接種を希望される際にはご相談下さい。

▼ その他
妊娠については、6ヶ月間の注射期間中は妊娠を避けたほうが良いようです。
(妊娠中の有効性・安全性は確立していません)
授乳中についても安全性は確立していません。

▼ 参考資料
各ワクチンの副作用、注意事項等に関しては、以下の、
厚生労働省によるワクチンの添付文書にて記されております。
サーバリックスの添付文書(外部サイト PDF文書)
ガーダシルの添付文書(外部サイト PDF文書)

また、2014年1月現在、厚生労働省による勧告により、接種の積極的な推奨はされておりません。
詳細については以下のページを御確認下さい。
厚生労働省 子宮頸がん予防ワクチンに関するQ&A(外部サイト)